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NewsPicks最所あさみが考える、会社に所属しながら「自分のコミュニティ」を持つということ

NewsPicks最所あさみが考える、会社に所属しながら「自分のコミュニティ」を持つということ

「リーダーの教養」をコンセプトに、リアルとネットを横断して学びと出会いを提供するNewsPicksアカデミア。2018年、フリーランスを経てコミュニティマネージャーとして入社した最所あさみさんは、会社に所属した後も、noteやTwitterを使った情報発信も積極的に続けています。

12月からNewsPicksのSNSエディターになって新しいチャレンジを迎える最所さんに、NewsPicksで今後やっていきたいことや、コミュニティ運営や情報発信で意識していることなどを聞きました。

(注:この記事に登場する最所はすでに退職しています。ユーザベースグループで挑戦していたメンバーの記録を伝えるために、当時の記事をそのまま読めるように残しています)

目次

「一度フリーランスを挟む」という転職スタイル

NewsPicksにジョインする以前、最所さんはフリーランスとして活動していました。このことについて最所さんは、自身のnoteで「フリーランスが会社員に戻るのは、M&Aのようなもの」と書いていました。

この記事を書いた背景について、「フリーランスから会社員に戻るというと、フリーで大成しなかったと見られると思って補足しておきたかった」と最所さんは語ります。

当時はフリーランスから会社員に戻る人は少なかったので、みんなにガッカリされるかなと思ったら、意外に応援してもらえて。フリーランス時代は複数のコミュニティに出入りしていて、一緒に仕事をしていた人たちとは、いまだにつながりがあります。 その中でじっくり腰を据えてやってみたいと思って、NewsPicksにジョインしました。意識はしていませんでしたが、一度市場に晒される経験を経たことで、プロとしての強度が増して良い転職活動期間だったのかなと思います。

入社後はNewsPicksアカデミアのコミュニティマネージャーとして、数々のイベントやゼミを運営してきました。2018年12月からは、NewsPicksのSNS担当として、コンテンツやコミュニティの「面」を拡げる活動に挑戦していきます。

最所あさみ

会社員として「自分のコミュニティ」を持つメリット

ユーザベースグループは複業も認めていますが、NewsPicksに正式にジョインするタイミングで、クライアントワークはすべてストップしたそう。

複業のメリットはあるものの、クライアントワークは先方の都合に合わせなければならないことも多く、本業に集中できないことがあるからと最所さんは語ります。

クライアントワークはストップしましたが、自分のペースに合わせて運営できるオンラインサロンは続けています。自分のコミュニティを持っているメリットはたくさんありますが、一番は「試す」ことができる点ですね。 思いついたらまず自分のコミュニティで小さくスタートして、良い結果が出たら本業のNewsPicksにも還元するようにしています。

フリーランスとしてもじゅうぶん生活していけるけれど、「フィードバックがなくて成長しにくい」ことから会社員に戻ることを決めた最所さん。会社員として本業にコミットしながら、フリーランスのように自分の実験ができる外のコミュニティを持つのは、バランスが良いライフスタイルなのかもしれません。

私の今の関心事は、『現世利益から抜け出す』ことなんです。オンラインサロンというと課金や収益を意識してはじめる人が多いようですが、私は規模がそれほど大きくなくても、このコミュニティでの活動の意味が、10年後くらいにしみじみ分かるような場をつくりたい。企業の中でこれを実現するのはなかなかハードルが高いので、自分のコミュニティで実験していきたいと思っているんです。
最所あさみ

好きになったものを「広めなきゃ」という使命感が原動力

普段からnoteやTwitterで自分の思考をアウトプットしている最所さん。そのコツを聞いたところ、「正直、書いているときはあまり意識していない(笑)」という回答が。

アウトプットはその人に適したやり方があると考える最所さんは、「自分の好きなものを、たくさん見る・聴き込むことで、誰でも学んだことがあるはず。私は自分の視点から、意見や問いを発信しているだけなんです」だといいます。

文学作品や野球、K-POPについての発言が最近は多いですが、一度好きになると、一気に知りたい欲が出てしまうタイプなんです。 戦略的に何かを学ぶ・読むというスタイルはあまりなくて。興味を持った人やものを辿っていくうちに、おもしろい人や本に出会えるイメージ。何かを『好きになる力』は人一倍強いかもしれませんね。

さらに自分が好きになったものが世の中にあまり知られていない場合、「広めなきゃという謎の使命感」が生まれると笑います。彼女のnoteやTwitterでの思考のシェアは、この使命感が原動力になっているのです。

最所あさみ

Twitterではよく小林秀雄や岡潔の著書や言葉について言及する最所さん。最近は勝海舟にハマっているといいます。

特に『氷川清話』が好きで、「何かに迷うたび、自分の『誠』を信じて決断しているか、を振り返るために毎回見返しています」と語ります。

世間の人はややもすると、芳を千載に遺すとか、臭を万世に流すとかいって、それを出処進退の標準にするが、そんなけちな了見で何が出来るものか。男児世に処する。ただ誠意正心をもって現在に応ずるだけのことさ。あてにもならない後世の歴史が、狂といはうが、賊といはうが、そんな事は構ふものか。要するに、処世の秘訣は誠の一字だ。
そこに、大義はあるか。|最所あさみ|noteそこに、大義はあるか。|最所あさみ|note

最所さんの頭の中は常に「思考の仕掛品」でいっぱいです。

何かのタイミングで「あ、わかった!」となる瞬間がある──そのときにnoteを書いたりツイートしたりしているのだと教えてくれました。

適切な情報を、適切な場所に届ける

NewsPicksのSNS担当として、最所さんが今後大事だと考えているのは「適切な情報を、適切な場所に届ける」こと。

コンテンツが読まれることやNewsPicksの会員になってもらうことをゴールにするのではなく、ユーザーが何を学んで、実際に次のアクションにつながったのかを考え続けることが非常に重要だと言います。

NewsPicksは有料会員が8万人、無料会員だと350万人を超える、すでに大きなプラットフォームになってきています。だからといってすべてをNewsPicksのコミュニティ内だけで完結していては、未来はありません。NewsPicksがさらに成長するためには、外のプラットフォームでどうやって良さを伝えていくかが重要になってきます。 ツイートの文面ひとつでも、どうやったら『読む価値がある』と思ってもらえるのか、いろいろな書き方を試しています。たとえば今検討しているのは、NewsPicks内のトレンドワードをリアルタイムにツイートするとおもしろいかもしれません。

NewsPicksを使って、もっと仕事に役立ててもらうためにはどうすればいいのか。「まだまだ試行錯誤の日々です」と笑いながらも、目の奥には強い意志をにじませていました。

本記事にはすでに退職したメンバーも含まれております(組織名・役職は当時)

執筆:筒井 智子 / 撮影・編集:山田 聖裕
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