与えられた環境を飛び出して、次の成長を掴む
森川 かおり(以下「森川」):
2013年に新卒でサイバーエージェントに入社して、サーバーサイドエンジニアとしてさまざまな部署で開発に携わってきました。ゲーム事業、広告の配信システムなどを含むアドテク分野を経て、最後にインターネットテレビ「AbemaTV(現ABEMA)」に携わり、2019年5月にNewsPicksに転職しました。
飯田 有佳子(以下「飯田」):
私も2013年に新卒でサイバーエージェントに入社しているので、森川さんとは同期なんです。サイバーエージェントでは3〜4年ほどサーバーサイドエンジニアとして開発に携わり、その後 Android 開発を経て、2015年からフロントエンドエンジニアを担当するようになりました。NewsPicksには森川さんと同じ年の9月に入社したので、ここでもほぼ同期ですね。
森川:
サイバーエージェントはとてもいい会社で、何の不満もなかったんです。人材の層が厚く優秀な人も多いですし、最新の技術を触ることができるなど環境が整っていて。会社の仕組みとしても制度がしっかりしていて、何もしなくても成長していける会社だなと感じていました。
逆に、だからこそもっと自分の力を試したい、個々の力が生かされる環境に行きたいという思いが芽生えたんです。当時、市場では動画を扱うサービスや電子決済が伸びてきていたので、成長産業に身を置くならそのどちらかに入りたいと考えました。その結果行き着いたのが、NewsPicksでした。
NewsPicksにはエンジニアが働きやすい環境が整っていました。スーパーフレックス制度など、結果を出してさえいればある程度自由な働き方ができるので、例えば出産や子育てなどのライフイベントがあっても、長くキャリアを断つことなく働ける点も魅力的でした。途中で学び直しをしたり、スキルを構築し直したりといったキャリアの再設計ができる点も決め手になりましたね。
飯田:
前職に対しては、私も森川さんと同じ感覚を持っていました。サイバーエージェントには頼れる先輩がたくさんいて、疑問を持ったらすぐ誰かに聞ける、本当に手厚い環境だったんです。ものすごくたくさんのことを学べる一方で、「聞けば返ってくる」という状況に自分が甘えてしまっている気がして……。自分の腕でどこまでできるか、挑戦できる環境に自分の身を委ねたいと思いました。
森川さんとは同期として一緒にJavaの勉強会に参加したり、ランチをしたりすることがありました。あるとき森川さんからNewsPicksに転職するという話を聞いて、その内容があまりにも魅力的だったので、私も受けてみたくなったんです。実際にNewsPicksの話を聞いて、ここで私も挑戦してみたい! と思い、森川さんからのリファラル経由で入社をしました。
飯田:
NewsPicksではメディアでニュースを公開しているので、多様な人が円滑にサービスを利用できるようアクセシビリティを向上させる必要があります。フロントエンドエンジニアとして、どれだけそこに貢献できるか挑戦していきたいと思いました。
森川:
NewsPicksは前職と比べて若い会社でもあることから、未整理な部分もあります。「ここをこうしたら、もっと良くなるのではないか」ということが無限に出てくるので、まるで宝の山というか毎日やりたいことだらけです。
例えば、システム障害が発生した場合にいち早く気づいて復旧させるオンコール対応。入社当初、このオンコール対応のプロセスが未整理で、気づいた人が対応するような状態になっていたので、ツールを導入したり制度を整えたりして改善しました。デプロイやリリースをしやすいよう改善し、サービスのアップデートを迅速に行えるようにもしました。
飯田:
それも宝の山の1つなんですよ。新しいものをどんどん作るより、今あるものをより新しい環境に上げていくほうが腕力のいる仕事だと思うんですね。それもまた、腕試しのトピックの1つかなと。
業務のバランスを取りながらビジネスとエンジニアリングを両立。1つひとつの施策を自分ごと化して取り組む
NewsPicks 森川かおり
森川:
NewsPicksにはサーバーサイドエンジニアとして入社しましたが、開発の進め方についていろいろ提案をしていたところ、1ヶ月ほどでチームのリーダーに抜擢されました。
DAU(Daily Active Users)を上げるミッションのもと開発を進めるチームでリーダーを1年ほど務めた後、インフラ周りを担うSREのチームで約1年半、最近では広告配信のシステムを扱うブランドデザイン・プロダクトユニットに異動して、リーダーを務めています。
なので現在はコードを書いて開発をするというより、ビジネスサイドと開発の優先度を決めたり、開発の進行管理をしたりといったプロジェクトマネージャー的な業務と、チームメンバーの成長をサポートするようなエンジニアリングマネージャー業が主です。
飯田:
私は入社当初はサーバーサイドで API を作る業務をしていましたが、その翌年から現在所属しているJobPicksというメディアのフロントエンド開発を担当しています。
デザイナーやサーバーサイドエンジニア、私を含めて4人のクリエイティブチームで、毎週スプリントで何をやるか予定を立てながら、仕様書ドキュメントを書いたり、デザインチェックしたり、APIを繋いで描画していったりといったことを地道にやっています。
飯田:
NewsPicksは「みんなで作っていこう」という思いが強い会社だと思っています。SEO のことがわからなければ自分で検証するし、自分で調べたことをチームで提案して実際に作るというところまで、1つひとつの施策をすべて自分ごと化して取り組んでいます。これは自分が想像していたよりも、はるか上のチャレンジだと感じています。とても刺激的で、日々成長を実感しています。
森川:
広告は関係部署が多く、広告記事を作るクリエイティブのメンバーや営業担当、機能開発のメンバーまで、さまざまな人が関わります。なので開発チームで作りたい機能だけを開発していると、クライアントに影響を与えてしまうことがあるんです。
広告って、データを使うなど技術の力でもっと価値が生み出せる、エンジニアリングが生かせる領域だと思っています。攻めつつも、ビジネスに影響を出さないようにする。そうしたバランスを取るのが難しく、まさに試行錯誤をしている最中なのですが、これを現実解に落とし込むことができたら、さらなる成長に繋がるのではないかと思っています。
オープンなカルチャーの中で「お互いの景色を交換しあう」、個々の強みを生かした活躍の場がある
NewsPicks 飯田 有佳子
飯田:
私が所属するチームは4人しかいない小規模チームなのですが、みんながみんな業務を自分ごと化していますね。リーダーだけでなく、メンバーそれぞれがオーナーシップを持って業務に臨んでいます。
エンジニアやデザイナーだけでなく、メディアの編集長など、職種をまたいでプロジェクトを進めているので、いろんな業界のオーナーシップの持ち方を参考にできます。社会人としても勉強になっている感じですね。
森川:
これはチームではなく全社に共通することですが、NewsPicksに入社したとき、全体の印象として「大人な人が多いな」と感じました。なんとなく新しいものに勢いで飛びつく、みたいな雰囲気はなく、言語化能力も高いし、なんか大人なんですよ。
一方で空気を読み過ぎず、思ったことや違和感があればオープンに伝える、議論が好き、というカルチャーがありますね。バリューとして掲げる「自由主義で行こう」が体現されているように思います。
例えば経営会議の議事録はすべて公開されますし、全員が参加しているSlackのチャンネルで疑問や違和感をふと投げかける人もいます。自分が感じた違和感について、内輪で愚痴を言っておしまいにするのではなく、異議があることを表明する。はじめはビックリしましたが、いいカルチャーだと思いますね。
さらにそのふとした投げかけから、全員が見ているSlack上でどんどん議論が進んで、別でミーティング時間とって議論しましょう、そのミーティングには誰でも入ってきていいですよ、となる。ミーティングには実際に何十人も参加することも。手前味噌ですが、すごい会社だと感じました。
飯田:
オープンなカルチャーは、自分自身との対峙を促します。
誰かの発言を目の当たりにすると、自分はどうだろう? と考えるきっかけになると思うんです。自分ならどうするか。何が正解なのか。
自分自身で責任を持って考えることで、より真摯に仕事や施策、組織に向き合うきっかけになるのではないでしょうか。
森川:
NewsPicksではよく「お互いの景色を交換しよう」という言い方をします。オープンであるということは、お互いの意見が異なることを認めたうえで、お互いの景色を交換することだと思うんです。NewsPicksではお互いの違いを認め合える雰囲気があり、自分の強みを生かしたキャリアが築けるように思います。
「エンジニアは最低限ここまで実装できなければならない」「次のステップとしてマネジメントスキルを身につけなければならない」と何となく決まっている会社は多いと思います。でもNewsPicksでは、開発が得意な人は開発で突き抜ければいいし、マネジメントがしたい人はマネジメントをすればいい。そんなふうに自分の強みを生かすことが許される、生かしやすい会社ですね。
飯田:
確かに「この職業はこうであるべき」といった捉え方はしませんよね。
森川:
私も技術で尖るタイプではなく、チームを上手く維持するというところを評価してもらってリーダー職を任されていると思っています。そうした個々の能力や強みを生かした活躍の仕方ができるのは、NewsPicksのいいところですね。
より価値あるサービスを作るために、異能を持った人と新しい挑戦をしていきたい
飯田:
NewsPicksは、これからもっと大きくなっていく組織です。次の組織レベルに行くときにどんな組織になったらいいか、ビジョンを描いて共有できる人になりたいと思っています。
NewsPicksではフロントエンドエンジニアを専門で担っている人は多くないので、フロントエンドエンジニアのカルチャーを作っていくという点でも尽力していきたいと考えています。
森川:
広告配信システムについていえば、広告はエンジニアリングの力を生かせる領域ですが、今それができていません。
例えば広告配信にユーザーデータを活用することは、何年も前から当たり前のようにやっている企業もあります。でもNewsPicksではまだできていないので、データ活用をするというのがまず1つ。
もう1つ、広告の運用業務を自動化して、本質的な価値を作るところにリソースを使えるようにしたいですね。将来的には、テクノロジーを広告の価値にいかせるようにしていきたいと思っています。
飯田:
フロントエンドでいえば、一緒にビジョンを描こうとしてくれる人ですね。新しい技術の普及もそうですし、それをプロダクトに反映するところもそう。いろんな面で人が足りていないことを痛感しています。
あとはフロントエンドエンジニアとして、よりカッコいいと言われるようなメディアを作りたいと思っています。やってみたいと思う人がいたら、ぜひカルチャー作りから一緒に取り組んで欲しいと思います。
森川:
ユーザベースの「The 7 Values」の言葉を借りるなら、異能を持つ人を歓迎します。リファラル採用は安心感という意味では良い制度ですが、似たような人が増えてくると組織としては弱くなってしまうのではないかという懸念があります。
今いるメンバーが持っているスキルとは違った強みを持っている人。自分が異能なだけでなく、他者の異能をリスペクトできる人だと、より成果が出せるのではないかと思います。
飯田:
ユーザーに対する心遣いができるというのも、大切なスキルですよね。居心地のいいメディアを作るうえで、ちょっとしたアニメーションやモーダルの通知機能といった、メディアの世界観をより良くするという考え方は大切だと思っています。
デザイン的な部分だけでなく、ユーザーにとっての使いやすさなど、ユーザー視点で物事を考えられる人であれば、もっといいメディアが作れるのではないでしょうか。
森川:
先ほどNewsPicksのカルチャーを「勢いで新しい技術に飛びつく組織ではない」と言いましたが、とはいえチャレンジは必要です。
そんなとき、新しい技術を習得するためにハッカソンや勉強会をリードしてくれるような人材がいるといいですね。組織全体が技術的なスキルアップしていけると思います。
飯田:
先ほども話題に出たユーザベースのバリューに「迷ったら挑戦する道を選ぶ」という言葉があります。それを後押ししてくれる技術サイドの人がいると、また面白い環境になりそうですね。