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ユーザベースの未来を背負う若手を元気にしたい──次世代エンパワーチームのイベントが生まれるまで

2021/12/28

ユーザベースの未来を背負う若手を元気にしたい──次世代エンパワーチームのイベントが生まれるまで

ユーザベースはDiversity & Inclusion(以下、D&I)の推進を加速するためのコミットメントを発表しました。それに共感したメンバー発で生まれたのが、「Diversity Empowerment Community」です。

これまで何回かご紹介してきたD&Iインタビューシリーズを担当しているコンテンツチームの他に、メンタリング、産休・育休ハンドブック、次世代と計4つのチームに分かれて活動してきました。

その中で、次世代チームは2021年10月25日にUBの若手メンバーを集めたオフラインイベントを実施。今回は次世代チームの中からCorporate Cluture Divisionの渡部佳織と、当日イベントに参加したFORCAS Customer Successの佐藤大樹に、なぜプロジェクトに参加しようと思ったのか、イベントに参加してどんな変化があったのかなどについて話を聞きました。

目次

次世代主導でOne Uzabaseをつくりたい

そもそも、なぜ次世代をエンパワーするイベントをやろうと思ったんですか?

渡部 佳織(以下「渡部):
「あと一歩踏み出せない」「あと一歩背中を押してあげたら前へ進めそうな」若手メンバーを後押ししたいと思ったからです。

ユーザベースには入社時の研修はあるものの、何ヶ月も伴走してくれるような全社共通のオンボーディングプログラムはありません。実際、サポートの手が届ききらなかったり、若手ならではの悩みを抱えてつまずいてしまったりする課題があると聞いていました。そんな若手メンバーをしっかり支えたいという思いからはじまったのが、次世代エンパワーメントチームです。

このチームには、当時SPEEDAの所属だった私をはじめ、AlphaDrive、NewsPicks、 FORCASから、現場で働いているメンバーが意思を持って集まっています。 通常業務で忙しい人ばかりですが、チームワークを発揮し助け合いながら活動を続けています。

このプロジェクトの中長期的なゴールは、

若手メンバーを部署を超えたつながりへとコネクトし、 同志の挑戦を応援しあえる環境を作ることで 次世代主導のOne Uzabaseを創る

というものです。このゴールを目指していこうと話していました。

このプロジェクトに参加しようと思ったきっかけは?

渡部:
「次世代をエンパワーしたい」と言いながらも、私自身まだ28歳です。前職では新卒で入社してから最初の3〜4年、つらくて眠れないことや精神的にしんどいときもありました。

特に前職でシンガポール駐在になったときは周りに友だちがいなくて。これまで出会ったことのない価値観の人たちの中で働かなきゃいけなくなった。孤独に苛まれたことがあったんです。

それまでどちらかというと、メンタルは強めだと思っていた私にもそんなことが起こった。これはきっと、若手であれば誰もが通る道なんじゃないかと思いました。

私はストレングスファインダーでも特に「個別化」の要素が強くて、1人ひとりの才能を引き出して輝けるような社会にしたいという思いがありました。これは人生を賭けてやっていきたいことなんです。

現状、ユーザベースでは各部署のリーダーがOJTで若手のオンボーディングを支えているけれど、もっと他のやり方を模索できるはず。たとえば同期・同世代で仲間をつくって、横で支え合ってもいいじゃないか。これからの未来を背負っていく若手を元気にしたり、自己肯定感を上げるきっかけをつくったりしていきたい、そんな風に思ったんです。

どんな風に進めていったんですか?

渡部:
まず、いろいろな事業部・職種の若手メンバー何人かにヒアリングして調査しました。その結果わかってきたのが、同世代のつながりがほとんどなく、同期入社でも部署が違えば、会うことも話すこともなかなかないという実態でした。

もちろん、コロナ下でフルリモートで働いているため、仕方がない部分もあると思います。でも、だからこそこのコミュニティをきっかけに、同世代がもっとしっかりコミュニケーションできる場をつくりたいと思いました。

そこで、何かイベントを企画して、しっかり顔を見たり話したりする場をつくり、それがコミュニティのはじまりになればいいなと考えたんです。

運営チーム(撮影時のみマスクを外しています)

運営チーム(撮影時のみマスクを外しています)

すべての次世代層を包括的にカバーする

プロジェクトを進めるうえで、どんな点が難しかったですか?

渡部:
メンバーの思いを包括的にすくい上げることです。ヒアリングしたとき、「ただ集まるだけじゃなくて、学びや成長のきっかけが欲しい」という上昇志向の強い層と、「まずは仲間のことを知る、ゆるい集まりからはじめたいです」という層に大きく分かれました。

どちらかの層を「切り捨てて」対象者を絞ることも考えたのですが、チームで何回も話し合って「両方の層に包括的に楽しんでもらいたいよね」ということにこだわり抜きました。この壁をどう乗り越えるのかが、とても難しかった。

いろいろな参考文献や記事などを読んだところ、そもそもコミュニティのあり方として「しっかりコミットしたい層」と「自分のペースでゆるく参加したい層」のどちらもいていい、と書いてあったんです。それで「すべての若手メンバーを包括的に後押ししよう」と決断できました。

もちろん目的や対象を決めずに、とりあえずアイデアを出すこともできました。だけど目的が決まらなければ、根本的な課題は解消されません。大きな目標からブレイクダウンして、何の課題を解消すべきかについて突き詰めていきました。

ブレイクスルーのきっかけは?

渡部:
イベントのモデレーターとして入ってくださった、小谷 奉美さん(株式会社Seize The Day 代表取締役社長/プロコーチ)が加わってからドライブしていったように思います。

小谷さんからは、「まだ言葉になっていないことを可視化するために、言語化できていないことをアートを使って表現するのはどうか」と、アドバイスをいただきました。

というのも、Z世代は検索したらすぐ答えがわかる便利さに慣れていて、悩んだり工夫したりしながら答えを導き出すのに慣れていないそうなんです。

「日頃の業務でパソコンに向き合い続けているので、アーティスティックなことをやりたい!」とリクエストしたところ、「コラージュを作成するのはどうか」とクレヨンや折り紙などを使った、共同作業するワークを考えてくれました。

ワーク中
今回、ぎりぎりまで迷ってオフラインでの開催としたそうですが、その背景は?

渡部:
企画当初から、オンライン・オフラインどちらで開催するのかずっと議論していました。それも壁の1つでしたね。

なかなか集まれないという悩みを抱えていた層だったからこそ、オフライン開催にぎりぎりまでこだわりました。けれど、思ったようにコロナの状況が好転しなくて、イベントを実施できない状態が続きました。

結局、2回リスケすることに。感染対策を充分にしたうえでですが、オフライン開催にこだわることによって、今までにないような効果を発揮できるはず。そう信じて、開催できる状況になるまで待つことにしたんです。

折り紙、クレヨンで「未来のUzabase」をコラージュ

イベント参加者の佐藤さんに聞きます。今回なぜ参加しようと思ったんですか。

佐藤 大樹(以下「佐藤」):
渡部さんをはじめとする、次世代チームからの声かけがきっかけです。僕は2021年7月入社なんですが、コロナ下のリモート入社です。FORCAS事業部は年上の人が多くて、25歳の自分がほぼ最年少だったんですよ。

30歳以上の人たちがボリュームゾーンで、一回り上の人もいます。同期でも3〜4歳年上の人が多かった。前職では心が折れそうになったら「いやーまじつらいよね」なんて、同期と励まし合っていましたが、なかなかそれもできずにいました。

実際は、どんなイベントだったんですか?

佐藤:
ワークは「今のユーザベースを生き物に例えると?」というもの。「え? 何それ?」という感じで、みんなでユーザベースらしさってなんだろうってアイデアを出し合いました。その結果、「自立していて、芯が強くしっかりした軸を持った人の集まりだよね」というワードが出てきました。

それで最初は「ウニだ!」ということになったんですが「そんなにトゲトゲしてないよね?」という話になって(笑)。次第に「ユーザベースの事業って8つだよね」ということになり「じゃあ、タコじゃん?」という話になりました。

Uzabaseはタコ?

ユーザベース=タコ!?

渡部:
佐藤くんのチームがタコの作品を発表したとき、生き生きした表情で本当に素敵だったんですよ。

佐藤:
いや〜本当に楽しかった! 時が一瞬で過ぎ去りました! 手元にはクレヨンや折り紙、モールがあって、クレヨンの香りを嗅いだだけで、子どもの頃のワクワクしたピュアな気持ちに戻れて。メインのワークは「未来のユーザベースを工作する」というものだったんですけど、一緒に工作したり、ワークをしたりすることで同世代のメンバーと一気に距離が近づきました。

そんな風に純粋にワクワクした5人が集まったからこそ、チームワークが生まれた。これは楽しいし、ひとりじゃできないことができるんだな! と思いました。

佐藤とチームのみんな

渡部:
会場ではほとんどのメンバーが「今日の参加者、誰も知らないです……」という感じだったので、最初は大丈夫かなと思っていたんです。だけど、2時間後には運営の声が聞こえないくらいうるさくなっていました(笑)。

佐藤:
ワークでは誰かがちょっと意見を言うと、周りがどんどん意見を重ねていって、その発言が広がって意見が深まっていく感じでした。そこがすごく面白かった。これぞチームワークの醍醐味ですよね。

おかげで、横のつながりが少ないと感じていた課題感はめちゃくちゃ解消されました。チームワークって面白いんだなと体感でき、大きな気づきがありました。

渡部:
オフライン開催による効果を発揮できて本当に良かったです。結果オーライですが、いいイベントを提供したいというこだわりが結実したなと思います。

イベントを通じて、どんな出会いがありましたか。

佐藤:
同じ7月入社のメンバーや学生インターンの方、それから普段なかなか接しない部署のエンジニアとも話せたし、同じFORCASのメンバーともいろいろなことを話しました。

渡部:
名古屋や大阪など遠方からも参加してもらった甲斐がありました。

佐藤:
周りにいた人が、友だちを紹介してくれてつながりが増えました。イベント後は、ちょっとした困りごとがあったときにも、Slackで声をかけやすくなったと思います。

イベントに夢中になるメンバー

次世代発の自律的な取り組みを起こしたい

今後、この次世代チームではどのような取り組みをしていきたいですか。

渡部:
私たちは長期ビジョンで動いているので、四半期に1度くらいの頻度でイベントを開催していきたいと思っています。

それから、イベントはあくまでもきっかけで、次のステップとしては若手メンバーによるコミュニティをつくっていきたい。私たち運営チームがいなくても、佐藤くんたち次世代メンバーが自律的にランチ会や飲み会、イベントを実施してくれるような状態になるといいなと思っています。

この企画は、ビジネススキルなどのハードスキルではなく、モチベーションやキャリアビジョンなどのソフトスキルにフォーカスしようとはじまったものです。でも、これからはもっと次世代が輝けるよう、研修を企画してみてもいいなと思っています。

佐藤:
UBの好きなところは、たとえばFORCASの田口さん(田口 槙吾/FORCAS事業CEO)や吉田さん(吉田 佑弥/FORCAS Revenue Division リーダー)のような「10年後にこうなりたい」と思えるロールモデルがたくさんいるところです。

これからは次世代層と経営陣が気軽に議論できる場があったら嬉しいなと思っています。早くCustomer Successとして強い戦力になりたいし、1人前になりたい。そして35歳くらいまでに、ユーザベースの1つの事業でトップになれるような経営人材になりたいんです。そのためにも、経営層とフランクに話せたらいいですね。

渡部:
これから先「One Uzabase」を目指すにあたって、仲良くなるだけでは物足りないと思っています。佐藤くんが言ってくれたように、自分のキャリアや、ユーザベースのビジョンを共有し合う企画に挑戦してみたいですね。

ワークで余ったモールで作ったハート
執筆:石川 香苗子 / 編集:筒井 智子
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