ざっくり年表
もともとB2B SaaS事業とNewsPicksそれぞれにコーポレート部門があり、2020年4月に統合。加藤・石川はB2B SaaS事業、蒲原はNewsPicks事業に所属していました。
■B2B SaaS事業
・〜2019.12 SPEEDA、FORCAS、INITIALの事業単位で個別管理
・2020.01 上記3事業の管理を1チームへ統合
・2020.07 SaaS Corporate Division内でSalesOperationsチームからSystemチームとして独立
■NewsPicks事業
・2016年 NewsPicksにCorporate Planningを新設
・2021年 各組織の管理機能を共通化するためにOperation Divisionを新設
・2022年 Corporate Divisonを新設し、Corporate PlanningとOperationを同じDivisionに集約
■Uzabase Corporate
・2020.04 事業ごとの組織を統合し、IT Strategy DivisionにBPRチームを新設
チームメンバー紹介
・蒲原 慎志(Teamリーダー):TIS → ABeam Consulting → Rakuten → ユーザベース(2016年3月〜)
・武藤 崇志:コニカミノルタ株式会社 → ユーザベース(2021年8月〜)
・石川 藍:NECソリューションイノベータ → ユーザベース(2020年~)
・加藤 孝祐:豊通シスコム → FORCAS(2019年~) → ユーザベース(2021年~)
BPRってどんな仕事?
加藤 孝祐(以下、加藤):
僕個人が持っているのは大きく2つあって、ひとつはB2B SaaS事業で使っているSalesforceの保守・開発。SalesforceはCRMや販売管理の仕組みとして使っています。もうひとつは、SPEEDA EXPERT RESEARCH事業の販売管理を、新しく構築するプロジェクトです。現在はスプレッドシートで管理しているのを、Salesforceでやろうとしているんです。
新規事業って、最初の段階では売れるかどうか分からないので、まずスプレッドシート管理からスタートするんですよ。でも管理してくれているSales Operationsチームのみんなが悲鳴を上げているくらい大変で、そろそろ何とかしなければと立ち上がったプロジェクトです。
ユーザベースグループは、毎年30%成長を掲げていますが、売上が増加するということは発行する請求書の量も増えますよね。それに対して人員を増やすのではなく、仕組み化で解決しようとしています。
石川 藍(以下、石川):
私はSaaS事業で販売管理やSFA(Sales Force Automation/営業支援システム)として使っているSalesforceのAdminを担当しています。社内で使っている人が多く、いろいろなチームからあがってくるリクエストに応えるのが主な役割です。具体的にはマーケティング、インサイドセールス、セールス、Sales Operations、経理などのメンバーとやり取りすることが多いですね。
あと、たとえばSPEEDA R&Dチームから「新しくR&Dプランを販売したい」みたいな改修範囲の広いリクエストが上ってきたときは、1〜2ヶ月かけて現場メンバーに「こういうときはどうしたいですか?」とヒアリングしながら仕様を詰めていくこともあります。
加藤:
しかちゃん(石川)の対応範囲、かなり広いよね。「セールスチームの担当範囲が変わったから、商談担当者をまとめて書き換えてほしい」みたいな細かいリクエストもあるし、ビジネス自体の売り方を変えるので、スキームをどうする? みたいな相談が来ることもあります。現場のヒアリングもやるし、「コレってSales Operationsチームと連携する必要がありますよね?」みたいに、考慮が漏れているところを指摘することも。
石川:
実作業は外部のパートナーさんに入ってもらうので、ビジネスサイドのリクエストをシステム要件・設計に落とすまでを担当しています。R&Dプランの例でいうと、竜さん(伊藤 竜一/SPEEDA執行役員 技術領域事業担当)やおかゆさん(岡崎 佑子/Sales Operations Teamリーダー)と、セールスやSales Operationsのオペレーションを考慮して、価格表などシステム上どのように表現にするか? を考えるところに時間がかかったかな。
蒲原 慎志(以下、蒲原):
僕の主な仕事は妄想することです(笑)。ユーザベースって、これまでシステム領域を横串で見てきたことが一度もないんですよ。SaaS事業──SPEEDA、FORCAS、INITIALはそれぞれ別会社だったし、NewsPicksもそう。その都度やれることをやってきた結果、個別最適の範囲が膨大になっていて……。事業は統合したけど、システムは元の環境のままでやってきました。
社内で「One Uzabase」という言葉が生まれましたが、システムはその基盤になるものなので、より次の未来をつくれるようになりたい。変化に対応できる基盤として、どうあるべきか? を常に考えているんです。それを僕は「妄想」って呼んでいて(笑)。
個別最適ではないシステム基盤のあり方を考え、思想としては形になってきました。今後は稲垣さん(稲垣 裕介/Co-CEO)と直接やり取りしながら、毎年30%成長の目標に向けて具体的にどうすべきなのか考えていく段階に入っていきます。
SPEEDAやNewsPicks、FORCASなどユーザベースグループのプロダクトって、手前味噌ながらどんどん強くなってきていると思うんです。だからこそ、僕たちのように基盤をつくるメンバーとしては「強いサービスの裏には、強い基盤がある」って言われたい。サービス名と同じくらい、基盤の強さが目立つくらいになりたいんです。
そうなれば、普段あまり目立たない、縁の下の力持ち的な役割のチームのメンバーも輝けるはず。フロント──事業やプロダクトを成長させる矢面に立っているメンバーたちも、契約や支払いなど「守り」の部分も大事なんだって今以上に意識してくれるようになるはずだと思っています。
Salesforceが僕たちの事業に深く入っていますが、我々が提供するのもSaaSプロダクト。世界一のSaaSプロダクトであるSalesforceを使って、将来のSalesforceを目指していきたい。そんなプロダクトに日々触れていることにも、意味があるんじゃないかなと思っています。
加藤:
かもかも(蒲原)やしかちゃん(石川)との会話で、僕はよく「カネの流れが好きです」って言っていて、それがやりがいの1つかな。BPRチームって、FORCASやSPEEDAなどのプロダクトが誰にサービスを提供し、誰からお金をいただき、誰にお金を支払わなきゃいけないのか見えやすいポジションなんですよ。
ビジネスを回していく際、契約とお金の流れが大事だと考えていて、それをデータ化・可視化して回すのが僕らの役割。ビジネスプロセスがいかにスムーズに流れるかを考えるのは、すごく楽しいです。
BPRチームはIT Strategy Divisionに属しているけど、ITと言いつつプロダクトをつくるエンジニアとは違います。業務システムをシステムとしてちゃんと成立させるには? みたいな根幹の部分からつくっていけるのが、コーポレートにおけるIT部門のやりがいだと感じているんです。
石川:
私のやりがいと似ている部分があるかもしれません。私は前職のSIerでSEをやっていて、ユーザベースには約1年前に入社しました。前職では、自分の携わったシステムが実際どう使われているのか見えにくかったし、「この予算でつくってください」と言われてつくったものの、ユーザーの要望を満たせているのかわかりにくかったんです。
ユーザベースは使ってくれる人との距離が近いし、事業のこと──商流やプロダクトの内容も理解したうえで提案できるので、より意味のあるものをつくることができる環境。すごく楽しいですね。
石川:
先ほど挙げたようにマーケティング、インサイドセールス、セールス、Sales Operations、Accounting(経理)、Legal(法務)とのやり取りが多いですね。あとプロジェクトによっては人事とか。
SPEEDA R&Dの例でいうと、新プランをリリースする際に利用規約を変える必要があるので、Sales OperationsとLegalと連携して、システムに載せていきました。
インサイドセールスからは、CTI(Computer Telephony Integration/コンピュータと電話・FAXを統合する技術)を導入してSalesforceと連携したい、みたいなリクエストが来ます。マーケティングだと「リード流入時に流入経路がわかるようなパラメータを取得できるようにしたい」みたいなリクエストもありますね。
加藤:
セールスだと、失注した際にその商談で振り返りたい情報が日々変わるので、担当者が入力しやすいように項目をつくったり、整えたり──過去に失注した案件を検証し、インサイドセールスが再提案できるようにするには、どんなフィードバックが必要なんだっけ? みたいなところもヒアリングし、一緒につくっていきます。
蒲原:
かふーさん(加藤)としかちゃん(石川)は、SPEEDA、FORCAS、FORCAS Salesを見てくれていて、MIMIRやNewsPicksにも同じようにSalesforce担当者がいます。MIMIRやNewsPicksは法人格が違うけど、以前はWeekly Salesforceみたいな定例ミーティングも実施していました。
プロジェクト単位で動くケースと、Salesforceを見ているバーチャル組織で動くケースがあって、割合としては半々くらいかな。チームとして週次の定例ミーティングはあるけど、数でいうとプロジェクトベースのほうが多いかな。チーム定例は各プロジェクトの進捗共有がメインです。
石川:
「こういう話を聞いたんだけど」とか「このプロジェクト、そろそろ動くらしいよ」みたいな話もしますよね。
蒲原:
そうそう。かふーさん(加藤)としかちゃん(石川)はSaaS事業でSalesforce維持管理のミーティングがあるし、SPEEDA EXPERT RESEARCHではもう1人のチームメンバーである武藤さんを含め、外部パートナーと打ち合わせすることもあります。プロジェクトはたくさんあるけど、チームメンバーが僕を含め4人しかいないので、ミーティングの参加メンバーはほぼ重複していますね。
SaaS事業横断の組織になったからこそ、事業によって考え方やルールが全然違うことが見えてきて、一体化したほうがいいね、みたいな話もしています。ただ、それをガシガシ進めるための人員が足りなくて……やりたいこと・やらなきゃいけないことはたくさんあるんだけど、なかなか追いつかないのが現状です。
チームで挑戦しているイシュー
蒲原:
先ほどの妄想の話につながるんですが(笑)、「Who are we?」って問いをずっと持ちたいですね。システム構築者でも、システム導入者でも、業務変革者でもない。私たちは何者なのか? と問われたとき、どうありたいか。
僕らが日々携わっている「基盤」って、企業文化をつくると思っているんですよ。基盤をつくるときって、たくさんコミュニケーションが発生するじゃないですか。そのコミュニケーションによって、文化をつくると思っていて。
ユーザベースグループは全社でSlackを利用しています。SalesforceとSlackってほぼ同時期に導入したんですが、SalesforceがSlackを買収したことで、今後コミュニケーションや業務のあり方が変わってくると思います。でも彼らもまだ統合によるベストプラクティスを描けていない、示せていない。
だとすれば、その正解を我々がつくろうっていうのが大きな野望です。Salesforceによって業務を確立し、コミュニケーション基盤であるSlackを業務に統合している状態──2つのプロダクトを活用する際の「あるべき姿」をSalesforceに示すくらいの意気込みでやりたい。
誰もつくったことがない世界を描けるのって、めちゃくちゃワクワクするじゃないですか。私たちBPRチームの未来もそうだし、業務基盤の領域で未来をつくっていくことは大きなチャレンジになると考えています。
加藤:
まさに「妄想」ですけど(笑)。でもかもかも(蒲原)はSalesforceの全国活用チャンピオン大会で準優勝していますからね。当時はまだBPRチームじゃなかったけど。
蒲原:
ありがたいことに、2021年はSlack主催のイベントにもいくつか登壇させていただいたし、記事にもしてもらいました。活用事例の記事はグローバルにも展開されているんじゃないかな。
石川:
先日チーム合宿でこの話をしていて、私もワクワクしました。目指したい未来の姿はまだまだ遠いけど、どうやって向かっていくのかチームのみんなと模索していきたいですね。
加藤:
やりがいしかないよね。とはいえ、かもかも(蒲原)もさっき言っていたけど、とにかく人が足りない(笑)。外部のパートナーさんにも入ってもらっているけど、丸投げしたいわけじゃないんです。設計や仕様を決める部分は自分たちでやりたいし。でも今の人数だとリクエストに応えるので精一杯なんですよね……。
ビジネススキーム自体に興味があって、その基盤をどうつくったら後から困らないか、バックオフィスやビジネスサイドと調整していけるような人に仲間になってほしい。細かい会計処理まで知らなくていいけど、受注には商談があって、見積書が必要で、みたいな一般的なビジネスの流れがわかっている人であれば問題ないかと。
石川:
最初から全部できる人はいないので、事業に興味があってキャッチアップしていく姿勢のある人がいいな。
加藤:
そう、チームでカバーしあえればいいんですよね。たとえば僕としかちゃん(石川)だと、しかちゃんのほうがテクニカルスキルがあるので、「ココってどうやって実装したらいいかな?」って相談に乗ってもらっています。逆にお金の流れは僕のほうが詳しいので、教えることもあるし。
蒲原:
BPRって今あるものを変えるのも仕事に含まれるけど、チーム自体新しいし、ユーザベースグループの事業もまだまだ伸びていきます。その中で、業務基盤から企業文化をつくっていく──事業を一緒につくっていく。その気概がある人であれば、きっと僕の妄想にワクワクしてくれるはずです(笑)。