SPEEDAのこれまでとこれから
SPEEDAは、2008年4月にユーザベースが創業した翌年の5月にリリースされたプロダクトです。
サービスの着想ときっかけは、創業者が外資系の証券会社で働いていた時に、ビジネス情報の収集と整理に苦労していたという経験からです。
そのため、最初の顧客層は金融機関やコンサルティングファームなど、ビジネス情報の収集や整理を日常業務としている方々がメインでした。
その後、SPEEDAは機能を拡張し、利便性を追求するなどの改善を経て、事業会社の特に経営企画部門やR&D部門にも広がっていきました。
海外展開においては、2013年1月にアジアに拠点を複数構えて以来、現在はSPEEDA Edge(米国)を含め、世界各地で展開しています。
ユーザベースでは、経済情報を「データ」「コンテンツ」「人の知見」という3つのカテゴリーで捉えています。
これらをオールインワンで提供するプラットフォームとして、SPEEDAとMIMIRの融合を目指す構想がMIMIRの設立当初からありました。その構想の第一歩として2017年に、ユーザベースは創業期のMIMIR(ミーミル)に出資をしています。
MIMIRはエキスパートネットワークサービスに特化し、一方、SPEEDAはデータとコンテンツに注力して事業を拡大してきました。そしてエキスパートネットワークサービスが日本にある程度広がってきた2020年4月に、ユーザベースがMIMIRを完全子会社化しています。2023年にはMIMIRのエキスパートネットワーク機能を追加したSPEEDAをリリースしています。
SPEEDAのプロダクトビジョンは「企業の進化に、スピードを。」SPEEDAを通じてビジネスパーソンの意思決定をよりスピーディーにし、より新しい発想の起点をつくることを目指しています。これは創業期から変わらない想いです。
「今」は、何と言ってもエキスパートネットワーク機能を加えた新たなSPEEDAの「導入期」に携われること。
挑戦やカオスから何かを生み出すことを楽しめる人や、楽しめる人になりたい人にとって、導入期の事業に携われることは、運命的な巡り合わせだと思います。
新卒として入社して、導入期のプロダクトに携われることはなかなかないのではないでしょうか?
もうひとつ、SPEEDA事業やユーザベースにおいて魅力的な要素として挙げられるのは、強靭な仲間がすでに揃っているという点です。他社から声がかかるような優れたエンジニアやセールスメンバー、アナリスト──。
ビジネスを行う上で、誰が実行するのか、誰と協力するかという要素は事業の成否に大きく関わります。導入期の事業を行っている企業や、創業したばかりの企業に、このような強靭な仲間が揃っているかというとなかなか珍しいのかなと思うんです。私個人としては、奇跡的な環境だと感じています。
SPEEDAの直接・間接、ふたつの価値
SPEEDAを活用してもらうと、ビジネス情報の収集と整理を正確かつスピーディーにできます。これはお客様の目線で捉えると、SPEEDAを使うことによって得られる直接的な価値ですね。
もうひとつは、間接的な価値です。本来なら情報収集に膨大な時間をかけた上で、その情報が正確かどうかの確認にも追われていたものが、SPEEDAを使えばすぐに完了するわけですから、お客様に時間的な余裕が生まれますよね。
この時間的な余裕が、新たな着想につながったり、調査後に続く分析やPDCAなどに集中する時間の創出につながったりするわけです。
このように直接的な「早さと正確さ」といった価値をお客様に届けながら、間接的に「クリエイティブな業務に費やせる時間を創出する」という価値も提供していると考えています。
ユーザベースのパーパスは「経済情報の力で、誰もがビジネスを楽しめる世界をつくる」です。その「ビジネスを楽しめる」状態の定義は、人によって違うと思うんです。
どのような状態であればビジネスを楽しめていると言えるか──ある人にとっては、より効率的に事業を進められている状態になれば、前よりもビジネスが楽しめていると言えるかもしれません。また別の人にとっては独自の観点を取り入れて創造的に事業に携われることを、ビジネスをより楽しめている状態と感じるかもしれませんよね。
SPEEDAの提供価値によって、人それぞれ違った意味での「ビジネスを楽しむ」という定義にフィットしながら、ストレートにパーパスを体現することにつながるんじゃないかなと考えています。
キャリアの意思決定権は自分自身にある
SPEEDA事業に限らず、ユーザベースグループ全体を通して考えると、ポイントは「意思決定権が自分にある」ことをまず理解して入社すべきだと思うんですよね。
分かりやすい例だと思うので、私がユーザベースに入社してからのキャリアを話させてください。
私はユーザベースの選考の際、確実に採用されるための必殺技を用意していました。それは「西日本支店の立ち上げ構想」です。
その構想を面接で話すと、佐久間さん(佐久間 衡/ユーザベース Co-CEO)から「いいね」と言ってもらえたんです。私の提案が受け入れられた結果、入社が決まり、入社後は実際に西日本支店の立ち上げを実現。これがユーザベースでのキャリアのスタートになりました。
その後、西日本支店の立ち上げをしながらセールスなどのスキルも高める中で、「SPEEDA Japanのセールスを統括してみないか」と声をかけてもらいました。私は自分で意思決定し「やります」と引き受けました。これが次のキャリア。ポイントは、あくまで相談を受けただけであって、強制されたわけではないという点です。
次のキャリアは、「MIMIRに出向させてほしい」と自ら申し出て掴みました。
出向後はカスタマーサクセス部門の立ち上げを担い、新たなスキルセットにもつながりました。
最後に直近のキャリアは、SPEEDAとMIMIRのサービスを統合する案が具体化してきたタイミングで、カスタマーサクセス部門も統合したほうがいいと思い、これを私が担当させてもらいました。
このように私のキャリアは「自身の意思決定の積み重ね」で築かれています。私的には、キャリアの分岐点を自ら創出し、自ら意思決定して、自分が好きな方向に進んできた感覚です。
なので、ぜひ皆さんにも「意思決定権が自分にある」と理解してもらい、自ら機会を創出し、それを自ら掴み取って、キャリアを積んでいってもらえればと考えています。
SaaSのダイナミズムを体感できる
SaaSビジネスのダイナミズムが体感・体得できることですね。SaaSビジネスはお客様に長く利用してもらえなければ成り立たない。CSでは、お客様が満足し長く利用されることと収益が、密接に関連していることをハッキリと体感できます。それがCSの大きな特徴だと思います。
私は、ビジネスは誠実にやらないと「続かない」と思っています。「流行り」で終わらないビジネスマン・企業であるためにも、誠実さや顧客満足度や収益が密接に繋がっている実感を早めに持っておくことは、非常に価値のあることだと思います。
主体性を発揮し唯一無二の存在へ
主体性を発揮することを期待しています。新卒で入社すると、「教わるシーン」は当然多い。すると無意識に受け身な姿勢に陥りがちなんですよね。
たとえば、「教わったことをやるかやらないかを決めているのは自分」という感覚や、「教わっていないのではなく、教わりに行かなかった」という感覚を持つことを癖がつくまで意識してほしいです。
そうやって自分が重ねた意思決定によって積み上げたキャリアは、自分を唯一無二の存在にしてくれるはず。