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「エキスパートリサーチは新しいSaaS」風通しの良い環境 × 異業種の力で事業の可能性を切り拓く

「エキスパートリサーチは新しいSaaS」風通しの良い環境 × 異業種の力で事業の可能性を切り拓く

特定領域に長けた知見や経験を持つエキスパートと、事業課題を抱えるクライアントをつなげる、エキスパートリサーチ事業。今後市場拡大が期待される領域です。同事業のエキスパートリサーチチームに所属する神部皓子、赤塚咲希、吉田之浩の3人も、この事業に可能性を感じて2023年に参画してくれました。 「心理的安全性の高い環境で働ける」と話す3人が思う、エキスパートリサーチ事業のやりがいや、ユーザベースのカルチャーとは。じっくり話を聞きました。

赤塚 咲希

赤塚 咲希SAKI AKATSUKAスピーダ事業 Expert Research Domain Research Division Biz & Enterprise Research Team

1998年生まれ、東京都出身。中学・高校は公立に通い、早稲田大学でマインドフルネス、身体心理学を学習。新卒で東京海上日動火災保険株式会社に入社し、保険金支払業務を経験。202...

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神部 皓子

神部 皓子HIROKO KAMBEスピーダ事業 Expert Research Domain Research Division Biz & Enterprise Research Team

1996年生まれ、神奈川県出身。2019年に新卒で三井住友銀行に入行。約4年間法人営業に従事し、地域オーナー企業からプライム上場企業迄を担当。その後、本部企画業務にて法人向け...

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吉田 之浩

吉田 之浩HIDEHIRO YOSHIDAスピーダ事業 Expert Research Domain Research Division Biz & Enterprise Research Team

1995年長野県生まれ。大学卒業後、観光土産品卸会社でルートセールスを3年間担当し、地元産品の拡販や取引先との関係構築を通じ売上向上に貢献。その後、コロナ禍を契機にKDDIグ...

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目次

知見やナレッジに価値を与える「エキスパートリサーチ」に興味

3人は2023年入社のほぼ同期だそうですが、それぞれユーザベースに入社するまでの経歴と入社の決め手を教えてください。

吉田 之浩(以下「吉田」):
僕は1社目で長野県の観光土産品の卸会社でルートセールスを、2社目はECサイト運営会社で、新規営業や既存顧客のフォローをしていました。2社目でインサイドセールス、フィールドセールス、CSの役割を一通り経験して、3社目としてユーザベース(ミーミル※)に転職しました。
 
ユーザベースへの転職のキッカケは、企業の課題解決において、上流工程から携わりたいと思ったことです。転職エージェントからミーミルを紹介されてスピーダのエキスパートリサーチを知って、「これは企画の段階から顧客の役に立てそうだな」と。
 
もうひとつ、エキスパートリサーチの商材そのものに魅力を感じたのも大きかったですね。前職の営業チーム内で知見やナレッジ共有に関わっていたんですが、それがそのまま商材になっているのが魅力的でした。
 
コンサルティングファームも考えていたんですが、面接の最終過程でゆっきーさん(エキスパートリサーチ Enterprise Research Teamリーダー清田 有紀子)とお話する機会があって、自分の将来あり方や、率直に思っていることや不安を伝えたら、1時間以上とても丁寧に答えを返してくれたんです。メンバーを大切にするその雰囲気やカルチャーに惹かれて、自分の直感を信じて飛び込みました。

株式会社ミーミル。ユーザベースのグループ会社で、「経験知に価値を与える」をミッションに掲げ、エキスパートネットワーク「NewsPicks Expert」や、法人向けに知見の流通により意志決定を支援する「スピーダ エキスパートリサーチ」の開発・運営を行っている。

神部さんは?

神部 皓子(以下「神部」):
私は新卒でメガバンクに入行しました。最初は法人営業担当で、非上場企業から上場企業まで幅広く、融資からグループ会社のカードやデジタル商品などを提案していました。転職を考え始めたのは、本部の統括部署に異動したタイミングです。
 
法人向けのデジタル手続きの移行に伴う、店舗のデジタル化の企画に従事することになって、それ自体は楽しかったんですが、もっとお客様に接する仕事がしたいと思うようになったんです。あとは、とにかく忙しくて……。
 
ユーザベース(ミーミル)に入社したのは、前職よりもワークライフバランスが取れそうだと思ったことと、エキスパートリサーチという新しい領域に挑戦したいと思ったことが決め手でした。
 
銀行で新規企画を担当していたとき、銀行のシニア層と接することがあって、その方たちの知見や経験には目を見張るものがあったんですよね。彼らの知見を活かせないのはもったいないなと思ったことが原体験になっています。

対談風景
赤塚さんは前職、保険会社だったと聞いています。

赤塚 咲希(以下「赤塚」):
はい、2020年に新卒で大手保険会社に入社して、4年間自動車保険の交渉や支払い業務を担当していました。その後、所得補償保険という、従業員がケガや病気で働けなくなった場合の保険や、介護費用保険の支払い業務を経て、ユーザベース(ミーミル)に転職しました。
 
転職理由は3つあります。1つ目は、保険業界が長かったので、自分の知識が保険に偏っているなと思い、ほかの業界を見てみたくなったこと。2つ目は、保険の支払い業務は「支払って終わり」なので、お客様ともっと長期的に深く関わる仕事がしてみたいと思ったこと。3つ目は、夫が転勤族なので、働く場所にとらわれずに働きたいと思ったことです。
 
ユーザベースへの入社を決めたのは、リモートワークでもしっかりコミュニケーションが取れそうに感じたことと、面接をしてくれたゆっきーさん、野口さん(野口知佳/ミーミル 執行役員 兼 スピーダ事業 Research Divisionリーダー)に人間としての憧れを持ったからです。
 
無理に入社することを強要せず、「赤塚さんの人生なので自分で選んでください」と言われて、こういう人たちと一緒に働きたいと思いました。エキスパートリサーチの「経験知に価値を与える」という考え方もおもしろそうだなと感じましたね。

「柔軟な働き方ができる」Expert Research Domainの一日

皆さんの業務について聞きたいんですが、まず1日の流れを教えてください。

赤塚:
私と神部さんは9時から、吉田さんは10時から始業しています。朝会が10時半からあるので、それまでにクライアントからのメールに返信して、ツールで管理している自分のタスクに対応。その後は新規のタスクに対応して、18時には退勤しています。あまり残業はないですね。
 
神部:
いまの時代、働き方改革でお客様もあまり残業しないし、遅い時間だとメールも返って来ない傾向にあるので、こちらもアクションが少なくなるんですね。ワークライフバランスを取りつつ、柔軟な働き方ができていると思います。

あと、ミーティングは朝会のほかにチーム定例もあります。私たちが所属する事業会社向けチーム(Enterprise Research Team)は2つのユニットに分かれているんですが、その全員が集まるのは2週間に1回。ユニットごとの定例は毎週あります。

ミーティングが多いんですね。朝会、ユニットごとの定例、全体定例ではそれぞれ何を話すんですか?

神部:
朝会はそれぞれの持ち案件がどれくらい進んでいるかや、ツールで管理しているタスクのうちその日取り組むことを共有して、そのうち対応に困っていることやみんなに聞きたいことがあれば、その場で相談しています。
 
吉田:
ユニットごとの定例では、リーダーからメンバーに対しての情報共有や、メンバーから全体に共有したい相談事項などの報告をしますね。
 
神部:
2つのユニットに分けたのが2024年からなんですが、ユニット間の連携で課題に感じていることや、見直したほうがいいことを事前に挙げて、それに対して意見を出し合います。改善案に対して今後どう修正していくか、しっかり記録に残るようになっています。
 
2週間に1度のミーティングでは、事業会社向けチーム全体に共有する事項を共有しています。数字の話などが多いですね。
 
赤塚:
好事例案件の発表もありますよね。「最近こういう案件があって、こう対応したらよかったです」というのをチームごとに発表しています。

神部
ユニットを2つに分けたのはどういう理由からなんですか?

神部:
これまではリスト作成からお客様対応まで、すべて1人で対応していました。ただ、今後エキスパートリサーチ領域がスケール化していくことを考慮すると、タスク管理も作業量も、個人単位では回らなくなることが予想されます。
 
その状態で何かまずいことが起こった場合、周りから見えにくかったり、万が一その人がいなくなったりしたら引き継げなくなるリスクがありますよね。こうしたブラックボックス化、属人化を防ぐためにも、複数名で対応する体制にできるようユニットに分けました。

整備されたマニュアルとフォロー体制で不安なく実務をスタート

エキスパートリサーチ自体が新しいビジネスで、中でも事業会社向けチームはさまざまな業界のお客様に対応する必要があるのでお客様理解も必要ですよね。入社時のキャッチアップはどうやっていたんですか?

赤塚:
事業会社向けチーム、コンサルティングファーム向けのチームと2つのチームがありますが、入社して最初の1ヵ月間はチームに関わらず、リストづくりの方法やシステム関連のことなど基本的なことを、オンボーディング担当の先輩に教えてもらいました。

吉田:
NewJoiner(中途入社メンバー)用に相談会があって、マニュアルを見てわからないことがあったら質問できるフォロー体制がありましたね。

赤塚:
その後はチーム別に分かれて、私たちは事業会社向けチームで2ヵ月間のオンボーディングが始まりました。事業会社向けチームでは、オンライン上で朝会と夕会があって、毎日対応中の案件について話をしたり、わからないことを聞いたりする機会がありました。

独り立ちするのが早いんですね。オンボーディング期間中からクライアントとのやり取りなどがスタートするんですか?

吉田:
そうですね。クライアントに送るメール文面はこれでいいかなどは先輩に聞きつつですが。メールは共通アドレスから送るので、何かあった場合は上長が確認できる状態ではあります。
 
このオンボーディング期間中は、しっかりマネジメントしてほしい人は常時上長に確認してもらうことができるし、ある程度自分で自由にやりたい人は困ったときだけ上長を頼ることもできます。

対談風景
最初の1ヵ月間は座学での研修を受けて、2ヵ月目からいきなり顧客対応。不安ではなかったですか?

赤塚:
なかったですね。座学の段階で、オンボーディング担当の先輩と一緒に顧客対応はしていたので、事業会社向けチームに配属されたときは「これまでやってきたことをやればいいんだ」というマインドでした。
 
あとはマニュアルがものすごくしっかり整備されていて、リサーチから今後のインタビューまでの流れがすべてまとまっているんです。質問する前にまず自分でマニュアルを見るというのは、最初の1ヵ月間のオンボーディングで叩き込まれました。
 
2ヵ月目以降も、まずは自分でマニュアルを調べるクセがついていたので、先輩に聞かなくても「こういうときどうすればいいか」がわかりましたね。

「ひとりで抱え込まなくていい」フラットにコミュニケーションできる風通しのよい環境

入社後にぶつかった壁と、それをどう乗り越えたか聞かせてください。

赤塚:
一般的にご案内している納期とはかけ離れた、かなり無茶な納期を指定されたお客様がいて、それに対して「できません」と回答したらご立腹されたことがあって。電話でお話していたら、「上司を出せ」と言われたんです。
 
でもリーダーから話してもらっても納期は変えようがないので、なんとか自分自身で対応しようと頑張ったんですが、結局リーダーと電話を代わってもらうことになって……。

リーダーと話したらお客様も落ち着いて、一件落着になったんですが、そこで学んだことは「ひとりで抱え込まず、チームで仕事をする」ということです。それからは、こういうケースでリーダーにつなげる必要が生じたら、しっかりとつなげようと思いました。チームで仕事をしているんだからと。それが最近の失敗兼学びですね。
 
吉田:
僕も似たようなことがありました。あるお客様とエキスパートをマッチングしインタビューが確定していたんですが、開始2時間前にお客様からインタビューができなくなったと連絡があったんです。
 
その旨をメールでエキスパートに伝えたら、メール文面では「わかりました」と返信があったんですが、その後電話がかかってきて「急すぎるだろう、どういうことだ」と。僕も赤塚さんと同じで自分で解決しなければと思ったのですが、やはり「上司を出せ」と……。
 
その時は野口さんに電話を代わって事なきを得たんですが、エキスパートからメールの返事があった時点で上長に相談しておけばよかったと反省しました。そうすれば、エキスパートから電話が来るまでに何か対策が立てられたかもしれません。
 
今は少しでも不安要素があれば、メール文面でしっかりリスクヘッジをしたり、リーダーに「この案件、トラブルになる可能性があります。万一の場合この対応でいいですか?」と確認するようにしていますね。

対談風景

神部:
私も同じようなケースに遭遇したことがあるんですが、リーダーの案件把握力ってすごいですよね。現状について相談するとすぐキャッチアップしてくれて、まず「よく頑張ったね」と労ってくれる。「私たちが何とかするから、不安にならなくて大丈夫」という声がけをしてくれるんです。
 
リーダーはじめみんながフォローしてくれるので、大きな問題にならずに済んでいるし、失敗しても次どうすればいいか一緒に考えてくれる環境があるので、すごく大切にしてもらっている感覚になります。

リーダー陣に対する信頼を感じる話ですね。

吉田:
心理的安全性が高いですね。僕は自分でどうにかしようと思ってしまうタイプでなかなか相談ができなかったんですが、ユーザベースに入社してそのハードルが下がりました。だからトラブルになる前に、解決できています。

チーム内の雰囲気やカルチャーについてはどう感じていますか?

神部:
みんなで助け合う気持ちが大きいですよね。上司がトップダウンで物事を進めるのではなくて、みんなでどうしていこうか考える。困ったときや不安になったときには絶対に誰かが助けてくれるし、相談すると自分事のように考えてくれる環境がありますね。
 
NewJoinerが増えてきて、メンバーの年齢も20代後半から30代前半と近いこともあって、コミュニケーションもフラットに行えます。

吉田:
他者を否定せず受け入れてくれますよね。意見が食い違ったとしても否定から入るのではなくて、必ず一度「なるほどね」と受け止めてくれて、そのうえで議論が進んでいきます。「風通しがいい」ってこのことだな、と思います。

リサーチを極め、その経験を他領域で活かしたい

仕事で感じているワクワクややりがいを教えてください。

赤塚:
エキスパートリサーチの商材として、インタビュー以外にセミナーも提供しているんですが、事前打ち合わせではお客様が「こんなことがしたいんだ」と事業展望をお話されることがあって。
 
その内容そのものにワクワクするというのもあるんですが、後日それが成功して新聞やニュースになっていると、自分の仕事がこういうふうにつながっていくんだと嬉しく思いますね。そういう機会をもっと増やしていきたいです。
 
吉田:
クライアントの要望にしっかり応えられたときですね。納期も自分でハンドリングして、クライアントとエキスパート双方の舵取りをして、インタビューを完了させられた瞬間が一番やりがいを感じます。

対談風景

神部:
「社会が追いかけているものを提供しているんだ」という感覚が得られることが楽しいですね。たとえば、あるお客様からご要望いただいたリサーチの内容に基づいて、そのお客様がサービスをリリースした1ヵ月後に、別のお客様からも似た内容のリサーチ依頼を受けることがあって。社会のニーズはいまここにあるんだな、という感覚がおもしろいです。
 
もうひとつ、エキスパートリサーチ自体ある意味「新しいSaaS」だと思っていて。私たちが最初の体験機会をつくり出していると思うと、ワクワクします。エキスパートリサーチはまだまだ成長余地があります。
 
お客様からのフィードバックに「もっとこうしてほしい」という改善要望があると、「サービスをこう改善しよう」「もっとこんな体験をしていただきたい」と思いますね。

最後に、今後どんなことに挑戦していきたいか、意気込みを聞かせてください。

赤塚:
競合がある中で、「ミーミルは対応が早いし、希望に寄り添ってくれる」と思ってもらえるようなサービスを日頃から提供していきたいと思っています。リサーチするにあたっても、どういう視点で見ればよりお客様の希望に合致するエキスパートが見つかるか、実績を積んでスキルを上げていきたいですね。
 
吉田:
僕はマネジメントにチャレンジしたいですね。あとは、リサーチ業務の生産性を上げて、メンバーがよりクライアント対応に集中できる環境をつくりたい気持ちもあります。しっかりしたマニュアルはあるものの、仕組みで解決できる部分はまだあると思っているので、それを形にしていきたいですね。
 
神部:
私はリサーチを極めたいですね。今やっている顧客対応はもちろんですが、適切なエキスパートを見つけに行くサーチ業務についても、自分を高めていきたいと思っています。
 
そのうえで、たとえばカスタマーサクセスやエキスパートマーケティングに携わったり、もしくはリサーチという観点からスピーダに関わってサービスを変えていったり、リサーチのサービスをベースに何かしら新しいことに挑戦していきたいです。
 
それこそ今、野口さんがさまざまなキャリアパスを描けるように道をつくってくれています。たとえばマーケティングや事業企画など、ミーミルから描けるキャリアのルートを開いてくれている最中なので、「神部さんにこの道を任せたい」と言われるくらいにリサーチを極めて、その経験をもとにエキスパートリサーチの拡大に貢献したいですね。

オフショット

編集後記

先日公開した同チームのリーダー2人のインタビュー(下記の関連記事参照)でも感じましたが、ものすごく雰囲気のいいチームだなと感じました。今回の記事に関して、記事内に出てくる野口と、その2人のリーダーにもレビューをお願いしたんですが、3人とも快く応じてくれてありがたかったです。今後の3人の成長も楽しみです!

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執筆:宮原 智子 / 撮影・編集:筒井 智子
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